日米欧経済
・米国
2月の景気先行指数は前月比0.1%と23か月ぶりにプラス転、3月の購買担当者景気指数は製造業が改善し総合指数は52.2と好不況の分かれ目である50を14か月連続で上回るなど、米国経済は堅調を維持する。2月の住宅着工件数、中古住宅販売件数はともに前月から上振れ、住宅関連は総じて力強い。FRBは3月FOMCで5会合連続となる政策金利据置きを決定。パウエル議長は「今年のある時点での利下げが適切」と発言、ドットチャートでは年内3回利下げを維持した。直前の物価指数の上振れを受け利下げ後退を警戒していた市場は、予想以上にハト派的判断と受け止めた。
・欧州
ユーロ圏3月の購買担当者景気指数はサービス業が牽引する形で、総合指数は49.9と9か月ぶりの高水準を回復。ユーロ圏及び独3月のZEW景況感指数は共に2年ぶりの高水準となり、独の製造業中心の業績改善が欧州経済を支える。ユーロ圏3月の消費者信頼感指数は3か月連続でマイナス幅が縮小、個人消費も回復しつつある。ECBのラガルド総裁は会合で、政策決定はデータ次第であり、新しい情報が入ればそれに対応すると発言、6月の利下げ開始が見込まれる。英中銀は3月会合で5会合連続となる政策金利据置を決定、一方でスイス中銀は0.25%の利下げを決定、主要国の中でいち早く利下げに転じた。
・日本
1月の機械受注は前月比▲1.7%と2か月連続のマイナス、鉱工業生産指数確報値は▲6.7%となり生産活動は減速しつつある。2月の消費者物価コア指数は前年比2.8%とエネルギー補助金効果剥落の影響で再加速した。日銀は3月の政策決定会合で予想通りマイナス金利解除を決定、17年ぶりの利上げに踏み切った。併せてYCC政策の撤廃及びリスク資産の新規買入終了も決定、金融正常化に向けて舵を切った。春闘において高い賃上げが確認でき、物価目標2%の持続的・安定的実現が見通せると判断した。
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