日本市場

日経平均株価は年初から急ピッチで上昇した後、足元では上値が重くなりつつある。金利のある世界へと踏み出した中、日銀の追加利上げが経済にブレーキをかけるとの警戒感に加え、米国の早期利下げ期待の剥落が米株の上値を重くしていることも影響する。背景にあるのはいずれも金利高に対する懸念であり、欧米株も利上げ局面で一時不調な時期もあった。但し、その様な局面でも大手銀行株は堅調を維持した。つまり日本でも金利高がメリットとなるセクター、特にゼロ金利からの脱却により通常業務の利益改善が期待できる大手銀行株には投資妙味があるだろう。足元の賃上げ動向は、連合の春闘第3次集計で加重平均が前年比5.24%と92年以来の高水準を達成。植田日銀総裁は「春闘の結果が夏にかけて賃金上昇をもたらし秋にかけて物価に反映されれば、金利を動かす理由の一つとなる」と発言、追加利上げの可能性を示唆した。市場は年内15bp程度の追加利上げを織込むが、この先、欧米に追随する形で賃金上昇がけん引する物価高局面入りが想定される上、足元の円安と石油高に加えエネルギー補助金の期限到来によるインフレ加速の可能性もある。市場が日銀による早期追加利上げを織込み始めれば、長期金利は上昇局面入りが見込まれる。

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