日米欧経済
・米国
2月の製造業新規受注は3か月ぶりのプラス、3月のISM製造業景況指数は2022年9月以来の高水準となり生産活動は回復基調にある。非製造業指数は2か月連続で悪化したものの2023年1月以来50超を維持しており、米国経済は力強さを維持する。3月の雇用統計では非農業部門雇用者数は30.3万人増と市場予想を上回り1年ぶり大幅増、失業率は3.8%と前月より低下、平均時給は前年比4.1%と下げ渋るなどインフレ圧力は根強い。パウエルFRB議長は講演で、年内どこかでの時点で利下げ開始が適切になる可能性が高いと発言。一方でミネアポリス連銀のカシュカリ総裁はネット上のイベントで、年内利下げ回数「ゼロ」の可能性に言及、FOMC参加者の見解は分かれる。
・欧州
ユーロ圏2月の小売売上高は前月比▲0.5%と2か月ぶりのマイナス、引続き消費は弱含む。一方でユーロ圏2月の失業率は6.5%と引続き過去最低水準を維持、穏やかな景気低迷にあっても労働需給は堅調だ。2月の生産者物価指数は前年比▲8.3%と10か月連続のマイナス、3月の消費者物価指数も前年比2.4%と3か月連続で伸びが縮小、インフレは鈍化基調にある。ECBは3月理事会の議事要旨を公表、賃金の伸び鈍化に伴うインフレの減速傾向を指摘、6月利下げの蓋然性を高めた。中東情勢ではイスラエルとイランの関係が悪化、緊張感の高まりから原油価格が上昇に転じインフレ再燃の可能性が高まる。
・日本
1-3月期日銀短観の業況判断指数は、大企業製造業は11と4四半期ぶりに悪化、自動車メーカーの出荷停止が響いた。一方で大企業非製造業は34と8期連続で改善、1991年以来の高水準となった。2月の景気動向指数は一致指数が2か月連続で悪化、内閣府は基調判断を下方修正した。日銀は地域経済報告(さくらリポート)を公表、全国9地域のうち7地域の景気判断を引下げた。植田日銀総裁は国会答弁で、円安基調を踏まえ為替市場の動向や物価への影響を注視すると指摘、市場は追加利上げの可能性を探る。
0コメント