日米欧経済

・米国

3月の小売売上高は前月比0.7%と2か月連続のプラス、堅調な雇用環境が支え個人消費は力強い。鉱工業生産は同0.4%と2か月連続でプラス、4月のNY連銀製造業景気指数は▲14.3と前月から改善、フィラデルフィア連銀景況指数も15.5と約2年ぶりの高水準となり、生産活動は回復基調にある。FRBはベージュブックを公表、経済はわずかに拡大したとの認識を示した一方、インフレ鎮静化に自信を覗かせ、ソフトランディングシナリオを維持する内容。パウエル議長を含む複数のFRB高官は、直近の力強い経済指標を受けて利下げ開始を遅らせることを示唆、マーケットの早期利下げ期待は後退した。

・欧州

ユーロ圏2月の鉱工業生産は前月比0.8%とプラス転換、独4月のZEW景況感指数は42.9と2022年2月以来の高水準、欧州経済は好転しつつある。3月の消費者物価指数改定値は前年比2.4%と3か月連続の低下となりインフレの鈍化基調は続く。ラガルドECB総裁はインタビューで、衝撃的な事態が起きなければ利下げに動く時期は近いとの見方を示した。市場では6月理事会での利下げ開始以降の対応に焦点が移りつつある。中東情勢ではイスラエルとイランの対立がミサイル攻撃による報復合戦に発展、エネルギー価格の上昇懸念が広がる。

・日本

2月の機械受注は前月比7.7%と前月から大きく上昇、第三次産業活動指数も同1.5%と2か月ぶりに上昇、製造業、サービス業ともに持ち直しの兆しが見える。3月の消費者物価コア指数は前年比2.6%と前月から鈍化したものの、足元の原油高や円安進行、加えて5月以降は政府による補助金効果剥落の影響もあり物価の再加速が見込まれる。連合による春闘の第四次集計では賃上げ率は5.2%となり、30年ぶりの大幅賃上げとなった昨年を1.5%上回る。植田日銀総裁は円安の物価への影響を懸念する発言を繰り返しており、当局による為替介入観測に加え、今週の日銀金融政策決定会合に注目が集まる。

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