日米欧経済

・米国

4月の鉱工業生産指数は前月比横ばい、5月のNY連銀製造業景気指数、フィラデルフィア連銀指数も前月から低下するなど生産活動は弱含む。4月の小売売上高は前月比横ばいと2か月連続の鈍化、住宅着工件数は前月から増加した一方で許可件数は減少、インフレ高止まりに加え高金利から消費も減速基調にある。4月の消費者物価指数は前年比3.4%と前月から鈍化、インフレ再加速を警戒していた市場は安心感から金利低下で反応した。一方で複数の地区連銀総裁は金融緩和にはインフレ減速を裏付ける更なる証拠が必要であり政策金利は高水準を維持すべきなど、早期利下げ期待に対する牽制発言が相次ぐ。

・欧州

ユーロ圏3月の鉱工業生産は前月比0.6%と前月から減速、一方で5月の独ZEW景況感指数は10か月連続で上昇、2022年2月以来の高水準となり欧州経済は底を打ったようだ。EU委員会は2024年経済見通しを公表、実質成長率を前年比0.8%と前回2月から据え置き、一方で主要国である独は同0.1%、仏は同0.7%と共に▲0.2%下方修正した。ECB高官からは引続き6月の利下げ開始を市場に織り込ませる発言が相次ぐ一方、市場はその後の利下げペースに焦点が移りつつある。

・日本

1-3月期GDP成長率は前期比▲0.5%と2四半期ぶりのマイナス成長、一部自動車メーカーの生産停止が影響した。うち個人消費は同▲0.7%と4期連続のマイナス、物価高に伴う実質賃金減少の影響が見える。1-3月期GDPデフレーターは前年比3.6%と6四半期連続のプラス、4月の国内企業物価指数は前年比0.9%と高止まり、政府支援策の影響剥落もあり物価は上昇基調にある。日銀は3月会合以降で初めて国債買入れ額の減額に動いた。市場は6月会合での量的引締め(QT)開始を織り込み、長期金利は上昇に転じた。足元の円安は金利上昇に加え為替介入への警戒もあり、もみ合い状態。但しイエレン米財務長官は、為替介入は極めて稀なことと従来からの表現を繰り返し、為替介入をけん制する姿勢を維持する。

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