日米欧経済
・米国
5月の小売売上高は前月比0.1%と小幅上昇、物価高が家計を圧迫する。鉱工業生産は同0.9%と3か月ぶりに上昇した一方、6月のNY連銀製造業景気指数は▲6と7か月連続のマイナス、フィラデルフィア連銀指数は1.3と3か月連続の低下、製造業は鈍化基調にある。5月の住宅着工件数は前月比▲5.5%と4年ぶりの水準に低下、中古住宅販売件数も3か月連続の低下、高金利の長期化により住宅需要も減速する。一方で6月のPMIは製造業、サービス業ともに前月から上昇、総合指数は17か月連続で50超、経済は底堅い。複数の地区連銀総裁は米経済は依然として力強く、利下げには数か月のデータが必要と指摘した。
・欧州
ユーロ圏6月のZEW景況感指数は51.3と5か月連続の改善、消費者信頼感指数は▲14.0と2022年2月以来の水準を回復。一方でPMIは製造業、サービス業ともに低下、総合指数は50.8と8か月ぶりに悪化、4か月連続で50を上回るものの仏経済の減速もあり欧州経済回復ペースの鈍化が懸念される。英5月の消費者物価指数は前年比2.0%とインフレは中銀目標まで鈍化。但し持続性を見極める必要があるとし、英中銀は6月の政策決定会合で政策金利据え置きを決定した。
・日本
4月の機械受注は前月比▲2.9%と前月の大幅上昇の反動で減少、今後も自動車不正問題の影響が懸念される。5月の消費者物価指数は前年比2.8%と再エネ賦課金による電気代上昇により伸びが加速。政府は6月停止の電気・ガス代補助金の再開、ガソリン補助金の延長に動き、物価抑制を狙う。5月の貿易収支は▲1.2兆円と2か月連続の赤字、円安や資源高により輸入額が増加した。日銀は4月会合の議事要旨を公表、物価の上振れリスクに言及するなど、追加利上げを見据えた発言が多い。植田総裁は参院財政金融委員会の質疑で、データ次第としながらも7月会合での政策金利引上げも十分あり得るとした。市場は円安基調の継続を踏まえ、利上げの前倒しを再度織り込み長期金利は上昇に転じた。
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