日本市場

パウエルFRB議長の9月利下げ示唆と日銀による追加利上げ決定を受け、金利差縮小観測から円高が進行、金利敏感株や輸出株を中心に先週の日本株は大幅に下落した。米株の下落も手伝い日経平均株価は先週1週間で約2,500円値下がりし、高値からの下落率は▲15%となった。植田日銀総裁は今後も利上げを継続するとしており、米国が利上げ局面入りした2022年の米株同様、当面の日本株は上値の重い展開が続きそうだ。但し、実質金利の大幅マイナスの継続に加え、急激な円高巻き戻しが収まり為替が安定した後に堅調な企業業績が確認できれば、日本株の再上昇が期待できよう。

日銀によるQTスタートと予想外の追加利上げに加え、植田総裁によるタカ派発言があったにもかかわらず、円金利は週末にかけ低下。米金利低下と日米欧株価急落を受けたリスク回避の動きと思われるが、利上げを待っていた投資家の債券購入の動きも指摘される。但し、植田総裁の発言からも日銀の利上げ継続は確実視され、金利低下は一時的となる可能性が高い。2022年の米債券市場のように、利上げ開始当初は金利上昇を好機として債券は買われ易いが、連続利上げとQTの効果が浸透するにつれ債券の需給は悪化する。昨年の米債のように投げ売りも手伝い大幅な金利上昇となるリスクもあり、注意が必要だ。

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