自民党総裁選
自民党は9/30の岸田総裁の任期満了に伴う総裁選を9/12告示、9/27投開票とする日程を決定した。現職の岸田総裁が不出馬を表明したため、21年の自民総裁選同様今回も多数の立候補者による混戦が予想される。ここで現時点での総裁選候補見込者11名のプロフィールおよび政策を見てみよう。
表1.各候補者のプロフィールと政策(50音順)
年齢 出身 学歴(大学) 国政以前 閣僚経験 (旧)派閥
石破茂 67 鳥取県 慶応大学 三井銀行 6 石破派
政策 金融緩和正常化、財政健全化、所得格差解消、円安是正、地方創生
加藤勝信 68 東京都 東京大学 大蔵省 3 茂木派
政策 物価と金利の上昇による経済の持続的成長、デジタル化・省力化・効率化を推進
上川陽子 71 静岡県 東京大学 三菱総研 2 岸田派
政策 女性活躍、日米同盟強化、規制緩和と財政健全化、死刑執行に署名
小泉進次郎 43 神奈川県 関東学院大学 衆議院秘書 1 無派閥
政策 再生可能エネルギーなど環境派、ライドシェア解禁など規制緩和推進
河野太郎 61 神奈川県 ジョージタウン大学 富士ゼロックス等 3 麻生派
政策 脱原発方針を修正、円安阻止のため利上げ推奨、中東外交活発化、デジタル推進派
小林鷹之 49 千葉県 東京大学 大蔵(財務)省 1 二階派
政策 保守派、経済力と外交力強化、財政支出拡大、半導体産業の再生、原発推進
斎藤健 65 東京都 東京大学 通商産業省 2 石破派
政策 中小企業応援、半導体や水素等技術開発の推進、経済成長による財政健全化
高市早苗 63 奈良県 神戸大学 松下政経塾 3 無派閥
政策 保守派、対中国強硬路線、積極的な財政支出拡大、金融緩和政策を支持
野田聖子 63 福岡県 上智大学 帝国ホテル 4 無派閥
政策 女性活躍と少子化対策推進、同性婚やカジノ法案推進・対中国融和策などリベラル派
林芳正 63 山口県 東京大学 三井物産 5 岸田派
政策 財政健全化、モノ作り・スタートアップ企業支援、親中ではなく知中派
茂木敏充 68 栃木県 東京大学 丸紅、読売新聞等 6 茂木派
政策 金融緩和正常化による円安阻止、ライドシェア解禁など規制緩和推進
今回も第1回目投票は国会議員と党員により行われるが、過半数を得る候補がいなかった場合は、上位2名による決選投票が国会議員票(367)と地方票(47)を巡り行われる。前回21年は、世論調査でダントツ1位だった河野氏が決選投票で岸田現総裁に敗れたが、今回は派閥解消後初の総裁選なので、派閥の論理が通用せず、これまでとは異なる展開となろう。石破氏、河野氏のように総裁選出馬経験のあるベテランと小泉氏、小林氏のような若手など世代の相違、また保守、リベラルなど政策スタンスの相違などにより、1回目投票時の得票数分散も想定される。そうなると新政権発足後の解散・総選挙の可能性が高まり、その上で党政策の再整理、場合によっては党の分裂すらありうるかも知れない。
ちなみに昨年末の当欄「来年の十大テール」では、日経平均史上最高値更新とともに河野新総裁誕生を挙げたが、果たして新しい日本のリーダーは誰が務めるのだろうか。
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