日米欧経済

・米国

10月の製造業新規受注は3か月ぶりの上昇、11月のISM製造業景気指数は5か月ぶりの高水準、一方で非製造業指数は前月から低下、トランプ次期政権の関税引上げなど自国優先政策が影響する。11月の非農業部門雇用者数はハリケーンやストライキの反動から大幅増、一方で失業率は上昇、平均時給は前年比横ばいと労働市場は安定的に推移する。FRBはベージュブックを公表、大半の地区で経済活動は上向いたとした。パウエルFRB議長は講演で、米経済は好調であり利下げには慎重になれる余裕があると発言した一方、ウォラー理事は講演で利下げ継続を示唆、市場は12月FOMCでの利下げ継続を織り込む。同時に発表されるFFレートの将来予想値(ドットチャート)も注目材料だ。

・欧州

ユーロ圏10月の小売売上高は4か月ぶりに減少、独の鉱工業生産指数は2か月連続の前月比マイナス、欧州政治の不安定化や米新政権の関税引上げ政策が影響する。一方でユーロ圏の失業率は6.3%と過去最低水準を維持、労働市場はタイトな状況が続く。ユーロ圏10月の生産者物価指数は前年比▲3.2%と2023年5月以来のマイナスが継続。ラガルドECB総裁は欧州議会で、欧州景気の脆弱性に言及。市場は次回政策会合での3会合連続となる25bpsの利下げを織り込む。仏では下院で内閣不信任決議が可決され内閣は総辞職となり、政治的混乱の経済への影響が懸念される。

・日本

10月の景気動向指数は一致CIが2か月連続の改善、内閣府は基調判断を「下げ止まりを示している」と6か月連続で据え置いた。現金給与総額は前年比2.6%と34か月連続のプラス、また実質賃金は前年比で横ばいと3か月ぶりにマイナスを脱し、雇用環境は堅調を維持する。一方で家計消費支出は同▲1.3%と3か月連続の減少、物価高に伴い消費は弱含む。日銀の中村審議委員は会見で、中小企業の業績に懸念を示した。市場は円安に伴う物価高を踏まえ、12月会合での追加利上げを織り込む。

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