米国市場

米株は堅調な経済と好調な企業業績を背景に今年も上昇したが、足元のS&P500のPERは24倍と過去10年の平均値18倍を大幅に上回っており割高感も指摘される。先週のFOMCでは予想通り利下げの継続が決定されたものの、今後の利下げペース減速が示唆されるなどFRBは予想外にタカ派に旋回。株高演出の一要因だった金融緩和期待がはげ落ちる形で、米株は大幅に調整した。一方でトランプ次期政権による米国第一主義は明らかに米株に追い風であり、更にAI革命でも断トツの強さを見せることから、米株はハイテク銘柄を中心に当面は堅調な相場が続こう。

7-9月期GDP成長率(確報値)は3.1%と高水準、11月の雇用統計も労働市場の堅調さを示し、12月のPMIも上振れ。一方で好調な経済のもと、インフレ指標は軒並み再加速の兆しを見せており、FRBは先週のFOMCで利下げペースの鈍化を示唆した。足元の政策金利4%超の環境下でも経済が加速するとなると、景気を熱しも冷やしもしない中立金利は4%に近いということになり、利下げペースの更なる減速もあり得る。当面はインフレ動向を注視する必要があり、米金利は神経質な展開が続こう。

0コメント

  • 1000 / 1000