日米欧経済

・米国

1月の鉱工業生産指数は2か月連続で上昇、一方で小売売上高は5か月ぶりに減少、トランプ政権による規制緩和への期待や関税引上げへの警戒が影響する。消費者物価指数は前年比の伸びが4か月連続で加速、関税引上げや移民政策に伴うインフレ警戒感は高まる。トランプ劇場は続いており、自身のSNSで政策金利を引下げるべきと投稿、3月の鉄鋼・アルミ関税引上げに続き、4月に相互関税を導入するとした。パウエルFRB議長は議会証言で、当面は景気抑制的な政策を維持、利下げを急ぐ必要はないとの見解を示した。市場はインフレ再燃リスクを反映し、年内の利下げ回数は1回のみを織り込む。

・欧州

ユーロ圏10-12月期のGDP成長率改定値は前期比0.1%と速報値ゼロから僅かに上方修正、12月の鉱工業生産指数は3か月ぶりにマイナス転となるなど、ユーロ圏経済は低迷が続く。ラガルドECB総裁は欧州議会で、インフレ鈍化は進行するとした上で、世界的な貿易摩擦拡大はインフレ見通しを不透明にすると指摘した。市場は景気減速下での3月の利下げ継続を見込む。米露首脳が模索するウクライナ停戦案はプーチン氏の要求を丸呑みする内容だとして、欧州各国は反発。紛争終結は欧州経済にとりプラスだが、現状の解決方法を押し通せば米欧関係の悪化が見込まれる。

・日本

2024年の経常収支は黒字幅が前年比約3割増となり過去最大、貿易赤字の縮小に加え投資収益やインバウンドに伴う旅行収支の黒字拡大が支える。1月の景気ウォッチャー調査は現状、先行き判断DIともに前月から下振れ、物価高により節約志向が強まる。国内企業物価指数は前年比の伸びが5か月連続で加速、コメ価格の高騰が影響する。石破・トランプ会談は予想以上の高評価となったが、関税引上げにおいて友好国日本に対する配慮は今のところなく、トランプ氏に振り回される展開は続く。市場では賃上げの実現に加え、足元の物価高と円安進行から、日銀の早期利上げへの警戒感が高まる。

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