欧州市場

EU特別首脳会合では、128兆円の軍備計画が承認された。特に独では、次期首相の最有力候補メルツ氏が防衛力強化のため、防衛費がGDP比1%を超えても債務ブレーキの対象外とすると発言、欧州経済全体に財政支出拡大の恩恵が及ぶとの期待が広がる。加えて、ECBが市場予想通り利下げを行ったことで、欧州株は大幅上昇、独DAX指数は史上最高値を更新した。低成長とウクライナ紛争を背景に欧州株に対しては弱気派が多かったが、財政規律を重視する独の方針転換は、ルビコン川を渡るような出来事として市場はポジティブに反応。当面の欧州株は買戻しを交え、上昇が続きそうだ。

EUの巨額な軍備計画や、独の財政支出拡大への方針転換を受け、欧州金利は急上昇。独10年金利は3/5に30bp上昇、過去35年間で最大の1日当たり上昇幅を記録した。ラガルドECB総裁は会見で「緩和局面は終わりに近づいている」と、利下げペース鈍化を示唆したことで金利の反発は続きそうだ。今後、米政権が欧州にも関税引上げの矛先を向ければ、報復関税の導入等で物価上昇が予想される。一方でウクライナ停戦が実現すればエネルギー価格下落によるインフレ鎮静化も期待でき、当面はトランプ氏の言動が注目される。

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