日米欧経済

・米国

1月の製造業新規受注は3か月ぶりのプラス、貿易収支は赤字幅が3か月連続で拡大するなど、トランプ政権の関税引上げ前の駆け込み需要が影響する。2月の雇用統計では、失業率が前月から上昇した一方で非農業部門雇用者数は増加、雇用は堅調さを維持する。ISM製造業景気指数は4か月ぶりに低下したものの2か月連続、非製造業指数は上昇に転じ8か月連続の50超、経済は底堅い。FRBはベージュブックを公表、経済は上昇基調を維持するとした上でトランプ政権の政策に係る不確実性の高まりを指摘。パウエル議長は講演で、追加利上げを急ぐ必要はないと発言、市場は3月のFOMCでの金利据え置きを見込む。トランプ政権は関税政策に再び猶予期間を設定、市場は政権の政策遂行能力に疑念を感じ始める。

・欧州

ユーロ圏1月の小売売上高は前月から減少、2月の消費者物価コア指数は前月から伸びが鈍化、景気低迷に伴い消費は弱含む。ECBは3/6の会合で0.25%の利下げを決定、利下げは5会合連続。声明では金融政策は引締め的ではなくなりつつあるとし、スタンスを中立的に修正。ラガルド総裁は会見で、経済は貿易摩擦の激化から低迷リスクが高まる一方、防衛支出の増加は成長に寄与するとした。市場では軍事支出増加に伴い景気拡大と物価上昇の両方が加速するとし、追加利下げへの期待が後退する。

・日本

内閣府は需給ギャップが10-12月期にプラスに転じたと発表、プラスは6四半期ぶり。これでデフレ脱却の4指標すべてがプラス転換した。1月の失業率は4か月連続の横ばい、有効求人倍率は4か月ぶりの上昇、労働市場では人手不足が続く。2月の消費者態度指数は2023年3月以来の水準に低下、消費者マインドは将来のインフレ警戒感から足踏み状態にある。連合は、春闘での賃上げ要求が1993年以来の高水準になると発表。日銀の内田副総裁は講演で、経済・物価の見通しが実現すれば、引続き政策金利を引き上げる方針と発言。市場では、10年金利が15年ぶりに1.5%を上回るなど早期利上げを織り込む。

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