日米欧経済

・米国

3月の小売売上高は2か月連続の増加、トランプ政権による関税発動前の駆け込み需要が影響する。一方で3月の鉱工業生産は4か月ぶりのマイナス、4月のNY連銀製造業景気指数は2か月連続、フィアデルフィア連銀指数も3か月連続の悪化、関税政策が製造業のマインドを冷やす。3月の住宅着工件数は前月から減少、住宅ローン金利の高止まりや関税引上げに伴うコスト増が懸念される。パウエルFRB議長は講演で、関税政策による物価上昇に重点を置いて対応すると強調、市場は次回5月会合での金利据え置きを織り込む。トランプ大統領は自身のSNSで、利下げ判断が遅すぎるとしてパウエル議長の退任を要求、市場は金融政策の政治からの独立性維持を不安視する。

・欧州

ユーロ圏2月の鉱工業生産は2か月連続のプラスと関税引上げ前の駆け込み需要で上昇、一方で4月のZEW景況感指数は2023/9以来のマイナス、米政権の関税策に伴う景気減速が懸念される。ECBは4/17の理事会で6会合連続となる0.25%の利下げを決定。声明ではインフレ鈍化が進む中での貿易摩擦による経済成長見通しの悪化に言及。ラガルド総裁は会見で関税引上げの経済への悪影響を指摘、一方でショック状態にある中で中立金利の概念は機能しないとした。市場は少なくとも年内2回の利下げを見込む。

・日本

2月のコア機械受注は3か月ぶりに前月から増加、3月の貿易収支は2か月連続の黒字、米政権の関税引上げに備えた前倒しの動きが影響する。3月の消費者物価コア指数は前年比3.2%とコメ価格の高騰により、4か月連続で3%を超える。赤沢経財相は米国と関税交渉に臨み、早期合意を目指すことで一致、今後は安全保障、為替などテーマ別の交渉が始まる。植田日銀総裁は国会で、米政権の関税政策により不透明感が高まるとした一方、経済・物価見通しが実現すれば金融緩和の度合いを調整する考えを改めて示した。市場は不確実性の高まりから利上げペース鈍化を見込む。

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