日米欧経済
・米国
3月の景気先行指数は3か月連続のマイナス、4月のリッチモンド連銀製造業景気指数は昨年11月以来の低水準。4月の購買担当者指数(PMI)は製造業が改善したものの、サービス業は大幅に下振れ、総合指数は16か月ぶりの低水準。トランプ政策による米景気失速懸念から先行き不安が高まる。一方でトランプ大統領は対中関税の税率引下げの意向を示すとともに、パウエルFRB議長の解任要求を撤回するなど市場不安の沈静化に動く。FRBはベージュブックを公表、貿易政策を巡る不確実性や政府職員削減の悪影響を指摘。一部のFRB高官は、関税策に伴うインフレは一時的とする一方、雇用環境の悪化には利下げで対応すると発言。市場は次回5/6-7会合での金利据え置きを織り込む。
・欧州
ユーロ圏4月の消費者信頼感は2か月連続でマイナス幅が拡大し2023/11以来の低水準、トランプ関税への警戒感から消費者のマインドは冷え込む。PMIは製造業が27か月ぶりの高水準と底堅さを示す一方、サービス業は5か月ぶりの50割れ、総合指数も低下。関税引上げに伴う景気後退への懸念が広がる中、EUが旗を振る国防増強や独のインフラ投資積極化が期待される。フォンデアライヱンEU委員長は中国を含むアジアやアフリカ諸国と積極的に交渉、貿易協議を進め対中貿易戦争に伴う漁夫の利を狙う。
・日本
4月のPMIでは製造業は引続き50割れ、サービス業は好調を維持し総合指数は50超を回復、トランプ関税に伴う製造業の悪化が続く一方、インバウンド需要の高まりからサービス業は底堅い。2月の企業向けサービス価格指数は前年比3.1%と6か月連続の3%台、4月の都区部消費者物価コア指数は同3.4%と2023/4以来の高水準、物価高が続く。日米貿易交渉が進行、ベッセント米財務長官は「通貨目標は求めない」と指摘、円高リスクは遠のく。石破政権は参院選をにらみ、現金給付や消費税引下げを示唆。市場は、財政赤字拡大に伴う英トラスショック(通貨、株、債券のトリプル安)への警戒感を高める。
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