日本市況
トランプ政権は英国との間で、相互関税10%は維持するものの、自動車などの関税障壁を削減することで合意。加えてトランプ氏が対中貿易協議も進行中で関税率引下げの可能性を示唆したことで、世界中の株式が上昇した。日本株も買われたが、与野党は消費税減税を検討、財源のないまま減税となれば英のトラスショック同様のトリプル安リスクが高まる。債務がGDP比2倍以上(英は約1倍)の状態では、英以上の下落可能性があり、国債増発と減税論が沈静化するまで日本株の上値追いは控えたい。
参院選に向けての人気取り政策として、与野党で消費税を中心とする減税論が浮上する。但し各党とも財源のあてはなく、基本的に国債増発が念頭にある。現在、超長期エリアの国債売買高の約5割を海外勢が占めており、足元では国債増発への警戒感から金利は上昇傾向。万が一消費税減税が実現すれば、海外勢の債券の見切り売りで超長期金利急上昇の可能性は高まる。現状、普通国債発行残高は1,100兆円、仮にイールドカーブ全体が1%上昇すると年間利払いは約11兆円増加する。1兆円の防衛費増額の財源に苦労するなかで利払い費増加の財源は、和製イーロン・マスク氏がいない限り国債増発となろう。つまり減税にはスパイラルな金利上昇リスクがあるため、当面は参院選の行方を見守りたい。
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