日米欧経済
・米国
1-3月期のGDP成長率は前期比年率▲0.3%と3年ぶりのマイナス成長、トランプ関税発動前の駆け込み輸入が押し下げた。3月の貿易収支は過去最大の赤字。4月のISM景況感指数は製造業が悪化した一方で非製造業は改善、関税政策の企業への影響は不透明。消費者信頼感指数は5か月連続の低下、消費者マインドは悪化する。失業率は前月から横ばいの低水準、労働市場は底堅い。3月のPCE価格指数は昨年10月以来の低水準へと鈍化。FRBは5/6-7のFOMCで3会合連続となる金利据置きを決定。声明では、経済見通しの不確実性は一段と高まり、失業率とインフレ率の上昇リスクが高まっていると指摘。米政府は英国との貿易協定での合意を発表、今後は中国など他国との2国間協議の進展期待が高まる。
・欧州
1-3月期のユーロ圏GDP成長率は前期比0.4%と伸びが加速、独や仏も2四半期ぶりのプラス成長、関税引上げ前の駆け込み輸出が押し上げる。3月の小売売上高は5か月ぶりの減少、4月の景況感指数は2023/10以来の低水準、米政権の関税政策に伴う先行き不透明感が影響する。4月の消費者物価コア指数は前年比2.7%と前月から加速、インフレ圧力は根強い。独では首相指名選挙1回目でメルツ新政権発足が決まらず2回目で選出、政治の不安定さが懸念される。英中銀は経済の先行き不確実性の高まりとインフレ鎮静化を受け、2会合ぶりの利下げを決定。
・日本
3月の鉱工業生産は2か月ぶり、小売売上高は3か月ぶりに前月比マイナス転。4月の消費者態度指数は5か月連続の悪化、内閣府は基調判断を「消費者マインドは弱含んでいる」に下方修正。3月の現金給与総額は前年比で減速したものの39か月連続のプラスを維持、一方で実質賃金は3か月連続のマイナス、物価高に賃上げは追い付かない。日銀は4/30-5/1会合で2会合連続の金利据置きを決定。展望レポートでは実質GDP成長率とインフレ率の見通しを下方修正、基調的物価上昇の目標達成時期の後倒しを示唆。
0コメント