日米欧経済

・米国

4月の小売売上高は前月から伸びが鈍化、5月のミシガン大消費者信頼感は5か月連続で悪化し3年ぶりの低水準、関税引上げに伴う物価高への懸念から個人消費は伸び悩む。4月の鉱工業生産は前月から横ばい、5月のNY連銀及びフィアデルフィア連銀製造業景気指数は共に連続のマイナス、トランプ関税に伴う不確実性が製造業に影響する。4月の生産者物価は3か月連続の鈍化、消費者物価は2021/2以来の低水準、関税策の影響は未だ限定的。複数の連銀総裁は、足元の経済は堅調であり現在の政策スタンスは維持できると指摘する。格付会社Moodysは、S&PとFitch に続き米国の信用格付けをAaa→Aa1へ引下げた。

・欧州

ユーロ圏1-3月期のGDP成長率は前期比0.3%に小幅下方修正。3月の鉱工業生産は3か月連続で伸びが加速、貿易収支は黒字幅が2021/1以来の高水準に拡大、関税引上げ前の駆け込み需要が影響する。5月のZEW景気期待指数は2か月ぶりのプラス回復、米関税交渉の進展やインフレ鈍化から企業マインドは改善する。ECBのシュナーベル専務理事は、現在の金利水準が経済成長と雇用に中立であると金利据え置きを示唆する一方、複数の政策委員会メンバーはインフレ鈍化と経済減速が確認出来れば、利下げ継続が妥当と指摘。タカ派とハト派で意見が割れる中、市場は6月会合での利下げ継続を織り込む。

・日本

1-3月期のGDP成長率は前期比年率▲0.7%と4四半期ぶりのマイナス成長。個人消費は物価高から低調、米関税発動前の駆け込み輸出のプラス影響は限定的だった。4月の景気ウォッチャー調査では、現状、先行ともに前月から低下、物価高と関税引上げによる低成長への懸念が強い。4月の国内企業物価は前年比4.0%と4か月連続の4%台乗せ、コメ価格の高止まりが影響する。日銀は4/30-5/1会合の「主な意見」を公表、経済・物価の不確実性の高まりへの言及がある一方、利上げ方針は不変との指摘もある。米関税交渉の進展から景気後退懸念が和らぐ中、日銀の利上げ再開予想も徐々に高まる。

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