日米欧経済
・米国
週次ベースの失業保険継続受給者数は4年ぶり高水準を維持するものの、新規失業保険申請件数は4週連続で改善した。6月雇用統計も堅調で、マスク氏が主導したDOGEによる政府職員の大量解雇にも関らず労働市場は底堅い。トランプ氏は日本やブラジルなど22か国に関税通知の書簡を送付、週末にはカナダ、メキシコ、EUに関税賦課を通知した。発効日は8/1で延長は考えていないとし、TACO(いつもビビッて尻込みする)への期待を断ち切る。6月分FOMC議事要旨では、関税による物価への影響が不透明とし、7人のメンバーが年内利下げ無しを主張するなど意見が分かれていることが判明した。
・欧州
独5月の鉱工業生産は前月比1.2%と4月の▲1.6%からプラス転換となった一方、ユーロ圏5月の小売売上高は同▲0.7%と4月の0.3%からマイナス転換するなど欧州の経済指標は強弱マチマチ。トランプ氏はEUへの関税を30%と通告、EU側は米国からの輸入品大半に対する最大50%の報復関税を、期限の7/15から8/1へと延長し、対米協議を続ける姿勢を示した。また、欧州各国はトランプ氏の要求に沿う形で軍事費を中心に財政支出を拡大しており、財政悪化懸念から欧州金利には上昇圧力がかかる。
・日本
5月の現金給与総額は下振れ、実質賃金も▲2.9%と1年8か月ぶり低水準となり、与党の目指す実質賃金プラス化は遠い。ただし、サンプルを固定し臨時給与を除いた共通事業所ベース所定内給与は同2.4%と4月の2.5%から小幅な鈍化にとどまる。5月の景気一致指数は115.9と2か月ぶりの悪化となり、内閣府は景気判断を約5年ぶりに「悪化」へと下方修正した。トランプ氏は日本に対し25%の関税を発表、発効日は8/1で延期の可能性は否定された。自民党の鶴保参議院議員による「運よく能登に地震」との発言が問題視され、7/20の参院選投票日に向け苦戦を強いられている与党に対し逆風が一段と強まる。
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