日米欧経済
・米国
6月の消費者物価指数(CPI)は5月から加速したものの前月比は市場予想を下回り、生産者物価指数は減速。関税の影響が懸念される中でも、物価への転嫁は限定的だ。一方、物価安定を背景に6月の小売売上高は3か月ぶりに前月比プラスに転じた。7月のNY連銀およびフィラデルフィア連銀景況指数も上振れ、週次の新規失業保険申請件数も5週連続で改善した。堅調な経済指標を受け、地区連銀経済報告では「経済活動はわずかに活発化」とされた。パウエルFRB議長の解任説が浮上したが、トランプ氏は[可能性は非常に低い]と否定。ただし週初にベッセント財務長官はFRB全体の見直しが必要と発言した。
・欧州
7月のZEW景況感は独・ユーロ圏ともに上振れ、ユーロ圏5月の鉱工業生産も前月比1.7%とプラス転換、経済は回復基調を示す。一方、トランプ氏がEUに30%関税を示唆したのに対し、EU側も12.4兆円相当の報復関税を準備するとしており、8月1日の交渉期限に向け協議が続く。ウクライナ紛争では、トランプ氏がプーチン氏を非難し、露産原油輸入国への二次制裁や、独負担でのウクライナへのパトリオットミサイルなどの高性能兵器供与で合意した。
・日本
6月の総合CPIはガソリン補助金の影響などでエネルギー価格が下落し伸びが鈍化した一方、補助金の影響を受けにくいコアコアCPIは前年比3.4%と5月(3.3%)から加速し、インフレ鈍化には至っていない。5月のコア機械受注や鉱工業生産は4月から改善したものの、依然として前月比マイナスが続く。6月の貿易収支は黒字化したが、自動車輸出量が横ばいの中、金額は前年比▲26.7%と減少。米国関税のコストを日本の輸出企業が負担していると見られる。参院選では与党が惨敗し、国民民主や参政党が躍進した。野党の足並みが揃わない中、衆参で少数与党となった自公で石破首相は続投を表明。今後、立民・国民・維新などとの連立模索に動くが、各党の主張は異なるため政策実現へのハードルは高まろう。
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