日米の株と債券
株式サマリー
米国株式
米中貿易摩擦に加えトランプ氏が対メキシコで追加関税を仄めかすなど、米保護貿易政策に対する警戒感から5月の米株は下落基調だったが、対メキシコ追加関税が「無期限に停止」となったうえ、もたつく物価・雇用関連の経済指標によりFRBが利下げをするとの思惑から6月に入り米株は戻り歩調。今後FRBの政策が利下げに転換となれば、ゴルディロックス相場再来との期待感もあり、米株は当面買われ易い状況。
日本株式
メキシコへの追加関税が見送りとなったことで、自動車産業全体に漂っていた警戒感は一部緩和された。引続き日本企業にとって懸念材料とされる米中貿易問題に関し、交渉が進展なら米はファーウェイへの制裁も見直すとの報道があるうえ、足元では日本の1-3月期GDPが年率2.2%に上方修正されるなど一部経済指標も回復基調。日本株は、5月以降米保護貿易政策の悪影響を米株以上に織込む形で下落した結果PBRが約1倍まで低下し、割安感から買戻しの動きが続きそうだ。
国債サマリー
米国債券
FRBは年初来堅調な米経済指標を受け金融政策に関し公式には中立的な見方を示す一方、市場は年内利下げを2回程度まで見込んでおり両者の見方に乖離が広がりつつあった。しかし、足元で悪化する購買担当者指数やISM製造業指数などを考慮し、FRB内に年内利下げを示唆するメンバーも出てきた。加えて、5月の雇用統計では非農業部門雇用者数が3ヶ月ぶりの低い伸びに留まったことで、年内利下げの蓋然性が高まりつつあり、6/18~19日のFOMCで緩和への言及があるかが注目される。
日本債券
米金利低下を受けて円金利も低下し、約3年ぶりの低水準となった。6月FOMCではFRBが利下げに政策転換するのかが注目されるが、日銀政策会合も19~20日に予定されている。日銀は、マイナス金利の金融機関経営への悪影響に目を向けると追加利下げには動きづらいと思われ現状維持の可能性が高く、政策を変更するとしてもYCCのレンジ幅拡大くらいか。その場合も市場へのサプライズは限定的で、円金利は結局ボックス圏の動きが続こう。
0コメント