シャープレシオって何?
投資の巧拙を表す尺度としてリターンとともにシャープレシオがよく使われる。これはリスクあたりのリターンを計算するもので、リスクとしてボラティリティ―(Vol)を使い、異なる投資対象を比較する際に便利である。
<ボラティリティ―(Vol)って何?>
1年間の価格分布で、その68%が収まる振れ幅を1標準偏差値(1σ)と呼ぶ。ここで標準偏差は価格にVolを掛けて求める。つまり銘柄Aが価格P=100円で1年のVol=10%の場合、標準偏差が約10円(=100×10%)と計算され、1年後の銘柄Aは1標準偏差となる90円~110円の間の価格となっている可能性が約68%ということになる(図1中の網掛け部分の面積が全体の68%)。
<シャープレシオって何?>
シャープレシオは平均リターンを標準偏差で割ったもので、上記銘柄Aの1年間平均リターンが10円の場合シャープレシオは1倍(=平均リターン10円÷標準偏差10円)となる。図2は1年後に銘柄Aが当初価格に平均リターン10円を加えた価格110円を中心とする価格分布図である。この場合銘柄Aの価格が1標準偏差の±10円である100円~120円の間となる確率が約68%(図中網掛け部分)で、当初価格である100円を下回る確率は約16%(価格下落方向の白い部分=(100%-68%)÷2)となる。つまりシャープレシオ1倍の投資対象は損失となる確率が低いということが分かる。
さらに、Aが一般的に優秀な投資対象とされるシャープレシオ2倍となるためには、1年間の平均リターンが2倍の20円、あるいは標準偏差が半分の5円となることが必要。図3は標準偏差が5円の場合で、価格100円の分布図上位置は▲2σとなる。つまり1年後に損失となる確率は図中の左側の白い部分で、2.5%とかなり低いと計算される。
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