日米欧アジア経済サマリー

米国

FOMCではFFレートを予想通り0.25%引下げ2‐2.25%とするとともに、9月に予定していたFRBのB/S縮小停止を8月に前倒しするとした。注目のパウエル議長記者会見では、長期に亙る緩和サイクルの開始を示唆したわけではないとしたため、連続的な利下げを期待していた向きにはやや失望感が広がった。雇用統計は概ね予想通りだったが、トランプ大統領が9/1から中国製品3000億ドル相当に10%の追加関税第4弾を課すと発表したため、市場は一気にリスク回避モードとなった。

欧州 

ユーロ圏4-6月期GDPは5年ぶり低水準、7月の消費者物価上昇率も前年比1.1%と1年半ぶりの低水準となった。一方で6月小売売上高は衣料や食品などが大きく上振れ、失業率は7.5%と前月比0.1%改善、労働需給が引き締まる中で製造業を中心に経済成長が減速傾向となるのは日米欧で共通している。英中銀は金融政策委員会でBrexitに関する不透明性が広がるとして政策金利(0.75%)の現状維持を決定した。

日本

6月鉱工業生産が前月比▲3.6%と下振れるなど、製造業を中心に日本経済は失速気味であるうえ、米国の対中追加関税第4弾や足元で加速する日韓貿易問題による国内輸出産業へのさらなる悪影響が懸念材料。日銀政策会合では「モメンタムが損なわれれば躊躇なく追加緩和する」と表現を強化したものの、フォワードガイダンスを含め金融政策はすべて現状維持となり手詰まり感が漂う。

アジア・オセアニア

中国経済は足元で減速傾向を示すが、米国の対中追加関税を受け景気後退懸念が深まる。中国は米国からの農作物の輸入停止と11年ぶりとなる人民元安容認で反撃したが、米側は為替操作だと非難するなど攻撃の手を緩めない。世界的に広がるリスク回避行動を受けて、アジア・オセアニアの株式および通貨は全面的に売られている。

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