為替サマリー
円・米ドル
米金融緩和を無事乗り越えたのもつかの間、米国の対中関税第4弾を受けて円高が急速に進み今年2回目の105円台となった。ただし、滞留時間は2日程度と短く、投資対象候補の少ない日本からの脱出資金によるドル買いで結局106円台に戻されている。このままリバウンドとなればチャート的には105円をボトムとするトリプルボトムとなり、円高に対する強い抵抗を示す。結局2年半続いた110円±5円のもみ合い相場はまだしばらく続きそうだ。
円・ユーロ
米国の対中関税第4弾を発端とする世界的リスク回避行動の広がりを受けて、避難通貨として日本円や米ドルが買われるが、財政基盤の脆弱なギリシアやイタリアを抱える通貨ユーロは買われづらい。また、独の金利が一時的に30年までマイナスとなり過去最低を更新、伊・ギリシア金利も低下中で景気動向からも金利面からも通貨ユーロに関して買い材料は乏しく、当面下値模索が続きそうだ。
円・豪ドル
豪準銀の2会合連続利下げを受け、市場は利下げ一旦打ち止めを見込んでいたが、ロウ総裁が必要があれば再び利下げすると発言したため、反発基調だった豪ドルは下落。通貨安に加えて利下げにより住宅・設備投資の回復が期待されるとして堅調さを保っていた豪州株だが、中国経済の減速懸念とそれに伴う資源安の影響から下落基調に転じている。足元の株安と世界的に広がるリスク回避行動を反映して追加利下げの可能性が高まりつつあり、豪ドルの上値は当面重そうだ。
円・ブラジルレアル
7/31の金融政策委員会は、経済の見通しが曇る中で低下基調のインフレ率とグローバルな金融緩和の流れに歩調を合わせ、政策金利を0.5%引下げて6%とすることを決定した。0.25%の利下げを予想する声もあったため通貨レアルは売られたうえ、米国の対中追加関税を受けて資源国通貨レアルは下落基調。ただし市場が注目する年金改革法案は議会の休会入りで審議が一旦休止中で、中旬以降上院で可決となれば、財政再建への期待感からレアル買戻しが期待できる。
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