日米欧経済

・米国

FOMCでは予想通りFFレートの0.25%引下げが決定された。声明では米経済は緩やかに拡大しているが、リスクに対する保険を掛けるための措置と説明。一方、FOMCメンバーが予想する将来のFFレート水準を示すドットチャートでは年内利下げ無しが過半数となった。8月の住宅関連指標や生産関連などの指標は好転しており、世界経済が減速基調となるなか米経済は堅調な展開が続く。

・欧州

英国8月の消費者物価指数や小売売上高などの経済指標は低調だが、英中銀は混迷するBrexit期限が迫る中で金融政策の現状維持を決定した。合意なき離脱となった場合の緊急緩和余地を温存したと考えられる。ドイツでは、ZEW景況感が5か月ぶりに改善し景気回復の兆しが一部で見られるものの、9月購買担当者指数は7年ぶりの低水準に落ち込み、引続き経済は低迷している。

・日本

日銀政策決定会合では予想通り現状維持となったが、10月に経済物価動向を再点検するとの文言が加わったことで、次回緩和観測が浮上した。米欧の利下げに対し日本が金利据え置きとなったときの円高が懸念されたが、結果的には大きな変動とならずに日銀は貴重な緩和カードを温存できた格好だ。ただし8月の消費者物価指数は前年比0.3%とデフレの入り口にあり、市場の観測通り10月に追加緩和を迫られる可能性は引続き燻る。

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