訪日外国人動向

訪日外国人数は年々増加しており2018年は3,100万人、2019年は3,500万人が予想されている。それに伴い今年のインバウンド消費額も5兆円超が見込まれ、GDPの約1%と日本の景気に対するインパクトは上昇している。今年はぎくしゃくする日韓関係や相次いだ大型台風などの悪影響やラグビーワールドカップ効果などの特殊要因があったが、足元の訪日外国人状況を見てみる。

まず昨年の国別訪日客数2位だった韓国だが、夏以降の日韓関係悪化で9月の訪日客数は前年同月比で▲58.1%と激減、一方英国はラグビー効果により前年比+84.4%と急増。これにフィリピンの+52.5%、昨年一位の中国+25.5%が続く。今年の訪日客数増加に伴い消費額も3兆6189億円と過去最高ペース。足元7-9月期の国別消費額の割合では中国42.1%、台湾11.6%、韓国7.6%で中国人消費額の占める割合が引続き高い。ここで、何故韓国からの訪日客激減にも拘わらず消費額が増加したのかを見てみよう。

表1を見ると、夏以降一人当たり単価の低い韓国分の減少を、単価の高い中国や欧州勢が埋め合わせていることが分る。内訳を見ると、単価が低い韓国や台湾は日本に近く国内旅行感覚で滞在日数が短い模様。一方、欧州勢は遠方から来日するので滞在日数が多く宿泊費や飲食費が高いが、お土産に回すほどお金が残らない、あるいは大荷物を遠くまで持ち帰りたくないと思われ買い物代は少ない。中国は買い物代が突出しており、その内訳は化粧品が4割で靴、かばん、衣類と続くが女性が主導しているのは明らか。つまりインバウンド消費を狙うなら、中国の女性が現状メインターゲットとなるようだ。

抱え経済が加速する中国の影響と思われる。来年は東京オリンピックが予定されているうえ、引続き世界経済が順調に拡大するようであれば、今後は中国同様に多くの人口を抱えつつ経済が発展するインドなどからの訪日女性客がインバウンドの次のターゲットとなるかもしれない。 

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