TOPIX銘柄入れ替え

現行の東証1部(TOPIX)は上場廃止基準が緩く、中には市場で流通する株が少なく売買が低調な銘柄も含まれるため、金融庁は東証再編を検討中。現状案はプライム市場とスタンダード市場、グロース市場の3市場に再編するとともに、インデックスのTOPIXはプライム市場とスタンダード市場から銘柄を選別するというもの。

昨今のパッシブ運用人気から、一般的なインデックス運用による購入に加え日銀のETF買入オペなどにより、所謂ゾンビ銘柄にも株価購入資金が向かっているため、本来株式市場が持つ経営者へのガバナンス効果が発揮されていないばかりか、日本のインデックス自体の上値が重い一因とも指摘されている。ここで実際に低流動性・低パフォーマンスの銘柄群がどの程度TOPIXの足を引っ張っており、銘柄数をどの程度まで絞ると有効なのかを調べてみる。

簡略化のため、リーマンショックから5年経過した2014年時点で、株価上昇率と流動性が低い銘柄を最下位から順番に除外し、その5年後となる2019年までのパフォーマンスを図1に示した。

図1.2014年から2019年までの5年間の各銘柄群パフォーマンス

まず2014年時点で流動性として「平均売買高÷時価総額」が低かった銘柄を下から約500銘柄除き銘柄数を上位1,500に絞ったがほぼTOPIXと同じパフォーマンスだった。次に2014年時点で2009年からの株価上昇率が低い銘柄を順に削った。顕著な違いが現れるのは上位100銘柄に絞ったあたりからで、最もパフォーマンスが高かったのは上位50銘柄に絞った場合となり、当初一部の銘柄がTOPIXの足を引っ張っていると想定したが、この結果からは一部の銘柄がTOPIXのパフォーマンスを引っ張っていることが観察された。つまり、定期的に過去のパフォーマンス上位約50銘柄を入替え選択することで、アクティブ運用ではなかなか上回ることができないインデックスを凌駕できるかもしれない。

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