感染者増加率と株価
新型肺炎の感染者が8万人、死亡者数が3千人となり、最早過去のSARS禍やMERS禍とは比較できない災禍となりつつある。日米欧株も高値から10%以上下落しているが、発生源である中国株は2月は春節の休みをはさみ月間で上昇した。これは感染者数の増加ペース減速が感染の抑制に成功しつつあると市場が認識しているからとの見方があり、各国の感染者増加ペースと株価の関係を見てみた。
図1は中国以外にも感染者が拡散し始めた1/20以降の各国感染者数推移。感染者数としては中国が最も多く次いで韓国、イタリア、日本と続くが、日本はダイアモンド・プリンセス号の感染者(705人)を含んでいない。2月半ば以降、中国の感染者数は8万人手前で増加ペースが止まり、日本の増加ペースも収まりつつあるようだ。一方、韓国とイタリアの感染者数は急増し日本を上回った。
図2は1/20以降の各国感染者数の前日比増加率で、図3は1/20時点を1とした各国株価推移。株が下落したタイミングを見ると1月末に感染者が出た日中韓株が先駆けて下落し、その後2月末に米国、イタリアで感染者数の増加ペースが速まったタイミングに欧米株主導で下落している。直近の株価水準を見ると中国株が最も高く、次いで感染者数が100人弱で安定しているシンガポール、その他は凡そ10%強の下落率で並んでいる。つまり感染封じ込めに成功した国の株は売られづらくなる仮定した場合、日本の感染者増加ペースに足元で歯止めがかかりつつことから、日本株反発のタイミングは近く、最近感染者増加率のピークを付けた欧米株は株価低迷が長引くかもしれない。
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