コロナショックいつまで

新型肺炎感染者数が世界中で30万人を超え、中国以外の感染者数がついに中国を上回り、感染は世界的に拡がりつつあるパンデミックの状態。感染拡大に歯止めがかからないうえ治療薬も開発中で、今後の展開が予測しづらい事が市場の不安を煽っている。情報が集まっていると思われる各国首脳の発言も「ドイツ国民の6-7割が感染する可能性があり、収束には数ヶ月から1年かかるかもしれない(メルケル)」や「感染拡大は7月か8月までという見方もあり、それより後かもしれない(トランプ)」など不安を和らげるには至っていない。そこで現状の限られた材料から新型肺炎の感染拡大と収束時期について考えてみよう。

<感染力と致死率>まず新型コロナウィルスの感染力は国民の6割が罹患するほど強力なのだろうか?この疑問にはダイヤモンドプリンセス号のケースが国を隔離した場合の参考になる。ダイヤモンドプリンセス号は1/20に横浜港を出港し、途中1/25に下船した香港人男性の感染陽性が確認され、2/5には2週間の隔離措置が決定、その後2/19に順次解放されるまでに合計697名に感染が拡がり死者7名を出した。つまり閉鎖空間で1/20時点で健常な乗客乗員3710名と感染者1名の状態から約1ヶ月間ウィルスにさらされた状態の感染率は19%、致死率は1%だ。さらに感染者の半数以上が無症状だったうえ、死者は70歳以上の高齢者だったが、伊の致死率は10%に迫るなど現実はデータ通りではない。

<収束期間>中国は収束ではないがすでにピーク越え宣言をしている。中国の対応を時系列でみると、①武漢で感染者報告(12/8)→②武漢市出入り制限③北京市バス運行停止④海外旅行禁止と春節期間を延長し学校、会社休み(1/23∼27)→⑤中国衛生局が感染ピーク越え宣言(3/12)。つまり潜伏期間2週間と言われるウィルスに対し、本格的に人の移動を制限してから約1ヶ月半でピーク越えとなった。現在の日米欧の政策としては凡そ中国で人の移動制限をした②∼④の段階に近づいており、感染者数増加に歯止めがかかりつつある日本を先頭として、5月中旬までにピーク越え宣言となる可能性があろう。

                                  

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