日米欧経済

・米国

6月の鉱工業生産や小売売上高など経済指標は予想を上回る改善を示しており、生産と消費の両面で経済は急速に持ち直している。新型コロナに関しては、感染第2波のリスクが高まるが、米ファイザーと独ビオンテックのワクチンが米国で優先承認を受けるなど、国内外でワクチン開発が進む。一方、米政府は中国の精密機器メーカー5社の製品を使う企業との取引を排除すると発表、対中経済制裁を強化する。大統領選を4カ月後に控え政策の継続性は見通しづらく、景気回復の足踏みが懸念される。

・欧州

ユーロ圏の5月鉱工業生産が前月比プラス(4月:同▲18.2%)に、英5月GDPも前月比1.8%(4月:同▲20.3%)と同様に大幅改善した。ECB理事会では市場予想通り金融政策の現状維持が決定され、欧州委員会では復興基金案(7,500億ユーロ)に関し臨時の首脳会議で議論が継続している。5月に経済活動を再開したにもかかわらず今のところ新型コロナ感染第2波は広がっておらず、欧州の景気回復基調は続く。

・日本

5月の第3次産業活動指数は前月比マイナスながらも改善は継続(4月:同▲7.7%)しており、欧米と同様に足元で経済は回復しつつあるようだ。日銀政策会合では市場予想通り金融政策の現状維持が決定され、必要な政策はすでに実施済みというのが日銀の認識と思われる。東京都の新型コロナ感染者が再び200人を超え、政府が旅行代金を支援するGoToキャンペーンから東京が除外されるなど、感染第2波のリスクが現実になる中、消費の失速に伴う景気悪化が懸念される。

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