日米欧経済

・米国

6月の中古住宅販売指数や7月の購買担当者指数など経済指標は引続き回復基調。一方で週次の新規失業保険申請件数が再び増加し雇用関連の回復が失速気味となっていることに加え、米中政府による相手国総領事館の一部閉鎖など、両国間の緊張が一段と高まるなど懸念材料にも注意が必要だ。米政府は期限が迫る雇用関連対策の延長を含む1兆ドル規模の追加経済対策の原案をまとめた。大統領選が迫る中、財政・金融政策ともに景気回復基調の維持を最優先とするため、大きな波乱はないだろう。

・欧州

ユーロ圏の7月購買担当者指数は製造業、サービス業いずれも拡大を示す50以上となり、総合指数も2年ぶり高水準となった。臨時のEU首脳会議では当初の日程を延長するマラソン協議の末、復興基金(7,500億ユーロ)に関し合意した。返済が不要となる補助金部分を3,900億ユーロと当初の5,000億ユーロから減額し、財源は欧州委員会が共同債を発行して調達する。債務危機や南北対立に長年悩まされてきたユーロ圏経済にとって、プラス方向への大きな転換点となった。今後は合意の実行ステージとなるが、具体的な施策に注目だろう。

・日本

新型コロナの影響で6月の貿易収支は大幅な赤字が続く。特に対米輸出は前年比5割減、対EUは3割減と大きな落ち込みを示す一方で、対中はほほ横ばいと回復基調で、輸出は当面アフターコロナの先頭ランナーとみなされる中国に依存する構図。新型コロナ感染者が700人を超え過去最多となるなど、感染第2波のリスクが現実的となる中、消費失速に伴う景気の伸び悩みが懸念される。

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