日米欧経済
・米国
4-6月期のGDP成長率は市場予想よりは良かったものの1940年代以降で最大の落ち込みを示した。内訳は米経済の約3分の2を占める個人消費が▲34.6%で、輸出も▲64.1%と落ち込む一方で、増加したのは政府支出だった。新型コロナ感染者数の拡大が止まらない中、新規失業保険申請件数も前週比で再び増加するなど、当初のV字型回復の想定は見直しが迫られつつある。FOMCでは市場予想通り現状維持が決定されたが、景気回復が確信できるまでFF金利をゼロ付近で維持するとした。トランプ大統領の支持率低迷から、政策継続への不透明感は高まりつつあり、景気回復の遅れが懸念される。
・欧州
ユーロ圏の4-6月期GDP成長率は前年比▲15%、独の4-6月期GDPも4半期ベースでは1970年以降過去最低となるなど、新形コロナが欧州全体の事業活動に大きな打撃を与えている。民需の足取りに不安が残る中、7,500億ユーロの欧州復興基金に加え、独政府による1,300 億ユーロや伊政府による250億ユーロなど、各国において景気浮揚策が実施されることから、今後はその効果が注目される。
・日本
6月の失業率は2.8%と5月の2.9%から小幅改善、鉱工業生産も前月比プラスに転じるなど、経済活動再開とともに生産関連を中心に経済は持ち直しつつある。一方で、1日あたり新型コロナ感染者数が1,500人を超えるなど感染拡大に歯止めがかからず、改めて消費活動全般の停滞長期化が懸念される。内需が振るわない中、事業規模230兆円の経済対策と中国経済回復に伴う外需の持ち直しによる景気下支えが期待される。
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