欧州市場
ECBは資産購入プログラムと資金支援策の期間延長を決定。ワクチンの普及により2021 年末までに経済活動レベルが持ち直すことを前提に、現行の緩和策の時間軸を伸ばした形。市場が警戒していたマイナス金利の深堀りではなく緩和長期化を決定したことは欧州株にとり好材料だ。ポーランドとハンガリーの反対で難航していた2.2兆ユーロの7ヶ年のEU中期予算案は両国の同意を得て承認となり、これで7,500億ユーロの復興基金実現に道が開けたことも欧州全体の株式市場を支えよう。
足元の世界的なリスク選好の動きに加え、財政支出拡大および国債増発への警戒感から米10年国債金利は1%近辺まで上昇した。一方、欧州債は足元のコロナ感染再拡大に伴う景気後退懸念とECB理事会での追加緩和への期待感から堅調に推移してきたが、ここに来てECBが現行緩和策の延長のみを決定し利下げは見送ったこと、またEU中期予算案承認を受けて欧州復興基金が実現すれば財源として欧州共同債の発行となり欧州債全般の需給が緩むとみられることから、今後は長期金利に上昇圧力がかかろう。
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