日米欧経済

・米国

11月の消費者物価指数は39年ぶり高水準、また週次の新規失業保険申請件数は52年ぶりの低水準となった。インフレ加速と雇用環境の改善は継続しており、今週のFOMCではテーパリングペースの加速が予想される。オミクロン株に関して重症化リスクは低いとされるが、感染力の強さに伴う行動制限など経済活動への悪影響が警戒される。バイデン政権は支持率低迷が続く中、北京五輪に対する外交ボイコットや民主主義サミット開催など、外交面で中国への強硬姿勢を強めており、経済への反動が懸念される。

・欧州

独の10月製造業新規受注および11月ZEW景況感調査はともに前月から下振れ、ここもと堅調な欧州諸国の中で、コロナ感染再拡大や主要貿易相手国である中国の経済停滞の影響から独の不調が目立つ。ECBメンバーのオーストリア中銀ホルツマン総裁はPEPP終了前でも利上げは可能と発言、インフレ加速を受けECBも金融緩和の出口戦略を視野に入れつつある。独では16年にわたるメルケル首相が退任、ショルツ政権が12月にスタート、4月には仏大統領選を控え、欧州政治の安定にはもう少し時間がかかる。

・日本

10-12月期日銀短観は大企業製造業の回復が一服となるなか、アフターコロナを見据えて大企業非製造業および中小企業全般に改善が見られた。一方で、世界的なインフレ加速を受け11月の国内企業物価上昇率は41年ぶり高水準となり、ゼロ近辺の消費者物価との乖離が拡大し企業収益を圧迫。岸田政権は「経済あっての財政」を掲げ、積極的な賃上げで成長の機会を探る。

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