日本市場

日銀は「物価上昇は一時的」との見方だが、市場は将来的な物価上昇を織り込み、長期金利は既に上昇基調。FRBやECB同様、インフレは一時的との判断が日本でも早晩変更されることを想定している。以前トピック欄で取り上げた通り、超低金利下における金利の上昇は経済にとってプラスの面もあり、特に長年ゼロ金利下で低成長を続けた日本経済にとってはゲームチェンジとなる可能性もある。今後は、金利上昇の恩恵を受ける銀行株が選好されるなど、投資対象の見直しが予想される。

世界的な物価上昇とそれに伴う各国の金利上昇を受け、日本の10年金利も0.23%と6年ぶり高水準となった。日銀は長短金利の誘導目標を設定するイールドカーブコントロール(YCC)を導入しているが、その長期金利の目標10年ゼロ%の変動レンジ上限である+0.25%に接近する。日銀は先週末、無制限の国債指値オペを実施すると発表、緩和縮小観測をけん制した。3月の政策会合に向け、市場は日銀の対応を見極めながら、10年金利の上限を試す神経質な展開が続くと予想される。

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