日米欧経済
・米国
3月の連銀製造業指数はNY地区で下振れた一方、フィラデルフィア地区は上振れとまちまち。2月の小売売上高はガソリンや食料品価格が上昇する中で、その他の消費が手控えられ下振れた。インフレは加速しており、2月の生産者物価指数は前年比8.4%まで上昇、FOMCでは事前予告通り0.25%の利上げを決定、年内残り6回の連続利上げおよび量的引き締めの5月開始を示唆した。バイデン政権は、ウクライナ情勢の泥沼化に対し軍事介入は避けつつ、ロシアの最恵国待遇はく奪など経済制裁を強める一方、中国にはロシア支援のけん制に動く。
・欧州
ユーロ圏1月の鉱工業生産は供給制約の影響が残り下振れ、3月の独ZEW景況感調査もロシアによるウクライナ侵攻と対ロシア制裁に伴う景気後退への警戒感から過去最大の悪化となった。英中銀は加速するインフレ抑制のため予想通り3会合連続の0.25%の利上げを決定、政策金利を0.75%とした。経済制裁に伴いエネルギー価格中心にインフレが加速する中、紛争長期化に伴う地政学リスクの拡大によりポーランドなどロシア周辺国のソブリンリスクが上昇するなど、欧州経済は視界不良の状況が続く。
・日本
2月の貿易収支は資源価格上昇と円安の影響から7か月連続の赤字となり、交易条件の悪化が続く。2月の消費者物価上昇率は前年比0.9%と1月の0.5%から加速、昨年の携帯料金引下げの影響を除くと足元のインフレ率は2.4%になる。日銀は予想通り金融政策の現状維持を決定、一方で従来物価上昇は一時的としていたものを修正、プラス幅を拡大した。ウクライナ紛争が長期化すれば、エネルギーや食料品価格の上昇に加え、サプライチェーンの分断に伴い、日本経済への悪影響も懸念される。
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