日米欧経済
・米国
4月の貿易収支は▲871億ドルとなり前月から赤字幅は大きく減少、ロックダウンに伴う中国の経済活動停滞・輸出減の影響が出た模様。注目の5月の消費者物価指数は前年比8.6%、前月比も1.0%と4月より上昇、インフレは再加速しつつある。4月の消費者信用残高は381億ドルと2月以降高水準を続けており、物価高を背景に足元で消費者の借入金が増加している。バイデン政権は中間選挙を控え国民の関心が高いインフレ対策を最優先課題とし、足元の劣勢挽回を狙う。
・欧州
ユーロ圏1-3月期のGDP改定値は速報値の前年比5.1%から5.4%へと上方修正、独4月の鉱工業生産も前月比マイナスとなったものの3月からは改善。欧州景気はウクライナ危機や資源高を抱えながらも、アフターコロナによる消費回復を支えに踏みとどまる。ECBは加速するインフレ抑制のため、資産買入オペ(APP)の7月1日終了及び月内0.25%の利上げを予告。さらに9月の利上げ幅0.5%への拡大、10月以降の断続的利上げの可能性を示唆するなどタカ派色を強めた。背景にはウクライナ危機の長期化に伴うインフレの加速が、政治面から西側諸国の結束を弱めるとの認識がある。
・日本
5月の国内企業物価は前年比9.1%となり足元4月の消費者物価(同2.5%)との乖離は引続き大きく、インフレの加速が企業収益を圧迫する。一方で4月の景気指数および5月の景気ウォッチャー調査は予想外に堅調、5月の工作機械受注も中国のロックダウンの影響を受けつつも19ヶ月連続の前年比プラスとなった。黒田日銀は円安に伴うインフレ高進よりも経済活性化を優先、緩和政策を継続する。政府は6/10から海外観光客の受入れを条件付きで再開、円安効果の後押しもあり、今後のインバウンド消費の再拡大に期待を寄せる。
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