日米欧経済

・米国

5月の小売売上高は自動車など高額品が不振となり5ヶ月ぶりの前月比マイナス、6月の連銀製造業指数はNY地区、フィラデルフィア地区共にマイナスとなるなど米景気後退の足音が忍び寄る。一方で5月の生産者物価指数は4月から減速したものの前年比10.8%と高水準、インフレ沈静化の道のりは遠い。FOMCでは1994年以来となる0.75%幅の利上げを決定、次回7月も0.5~0.75%の利上げを示唆するとともに年末のFFレート予想を3.4%に引上げ、インフレ抑制を最優先する。バイデン政権はウクライナに対する10億ドルの新たな武器支援を発表、中間選挙を前に対ロ戦略における西側諸国の結束をアピールする。

・欧州

独及びユーロ圏6月のZEW景況感調査はマイナスだったが5月からは改善、ユーロ圏4月の鉱工業生産も前月比0.4%と3月(同▲1.4%)からプラス転するなど、欧州経済はウクライナ危機や資源高を抱えながらも粘り強さを見せる。インフレ抑制のため英中銀に加えスイス中銀が利上げを決定するなど、欧州に利上げの動きが広がる。ECBは臨時理事会を開き、緊急資産買入オペ(PEPP)の資産償還に伴う再投資を南欧債へ厚めに配分することを決定、伊など南欧債の下落を支える。仏下院選ではマクロン氏率いる与党が過半数割れとなる一方、ウクライナはEU加盟に向け外交を進めるなど、地政学リスクが高まる。

・日本

5月の機械受注は前月比で上振れ、4-6月期の大企業業況判断も前期から改善傾向となるなど、資源高や中国の景気減速の影響を受けつつも、アフターコロナのリベンジ消費を支えにサービス業を中心に経済活動は回復基調。黒田日銀は円安に伴うインフレ高進は警戒されるものの、経済活性化を優先し金融政策の現状維持を決定した。政府は参院選の日程(6/22告示、7/10投票)を決定、政治は選挙モードへと突入、足元の急激な物価上昇が論戦の主要テーマになる。

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