日米欧経済

・米国

7月の消費者信頼感は家計のインフレ懸念を反映し1年ぶりの水準に低下。4-6月期のGDP成長率も前期比年率で2四半期連続のマイナスとなり、米経済はテクニカルリセッション入りとなった。高インフレに伴う消費減退に加え、住宅投資と在庫減少の影響が大きかった。FOMCは加速するインフレ対策として市場予想通り前月に続き0.75%の大幅な利上げを決定、次回利上げはデータ次第とした。バイデン大統領と習主席の電話会談では台湾問題が主要テーマとなった模様だが、米議会上院は半導体産業に約7兆円の補助金を投じる法案を可決、台湾有事に備え脱中国に向けた動きが進む。

・欧州

ユーロ圏4-6月期のGDP成長率は前期比年率2.8%と5四半期連続のプラス。一方、独7月のIFO企業景況感指数は2年ぶりの低水準、ユーロ圏7月の景況感指数も1年5ヶ月ぶりの低水準となるなど、インフレ加速と中国の景気後退が重しとなり欧州景気に対するマインドは急速に悪化。ロシアは天然ガス供給パイプラインの供給量を8割減とし、欧州のエネルギー供給不安は続く。英次期首相レースでは減税を掲げ、ウクライナ支援に積極的なトラス外相がリード、ロシアに対する経済制裁の長期化に伴う経済面の悪影響が広まる中、早期の西側諸国の政局安定が望まれる。

・日本

6月の企業向けサービス価格に加え、7月の東京都区部消費者物価も前年比2.5%と上振れ、日本にもインフレの波が押し寄せる。価格上昇に伴い6月の小売売上高は前月比▲1.4%とマイナス転換となった。一方、6月の鉱工業生産は前月比8.9%と上振れ、中国のロックダウンが解除されたことで部品供給制約が和らぎ、比較可能な2013年以来最大の伸び率となった。新型コロナの1日当たり感染者数が過去最多となる中、政府内では病床ひっ迫への対応として感染症法上の分類見直しの議論が始まった。

0コメント

  • 1000 / 1000