日米欧経済
・米国
7月のISM景気指数は製造業が9ヶ月連続の50割れ、サービス業も下振れた。また雇用統計では非農業部門雇用者数は予想を下回ったものの、失業率は改善、平均時給は予想を上回り労働需給はタイトな状況が継続、インフレ圧力は高止まる。格付会社フィッチは財政悪化予想や度重なる債務上限問題を背景としたガバナンス劣化を理由に、米国債の格付をAA+へと引下げた。想定外の材料に株式市場は反落、金利は急上昇で反応、リスク回避の動きが広がる。対中政策においてデリスクキング戦略を進めるバイデン政権は中国の王外相を招待、習近平主席との首脳会談実現に動く。
・欧州
4-6月期のユーロ圏GDP成長率は前期比年率1.1%と予想を上回ったものの、米国の2.4%とは乖離がある。これまで欧州経済をけん引してきたサービス業関連にも物価上昇の影響が目立ち始め、ユーロ圏6月の小売売上高は再び前月比マイナスに下振れ、主要貿易相手国である中国経済低迷の影響も懸念される。ユーロ圏6月の生産者物価指数はエネルギー価格の下落もあり前年比でマイナス幅が拡大、欧州でも川上の物価は沈静化が進む。ウクライナ紛争では両国軍共にドローンによる都市攻撃が増加、紛争長期化を見据え国内の厭戦気分高まりを狙う。
・日本
6月の鉱工業生産は自動車を中心に幅広い業種で生産が拡大し2ヶ月ぶり前月比プラス。一方で小売売上高は2ヶ月ぶりの前月比マイナスとなり、人流回復による消費拡大に対し物価上昇が影響しつつある。6月の日銀政策会合議事要旨では、足元の物価動向に関して上振れリスクは高いとの意見が多かったようで、その後の政策修正への流れが読み取れる。政府税制調査会の中期答申では会社員向けの給与所得控除の見直しに言及、岸田政権は「サラリーマン増税」と受け止められないよう火消しに動く。
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