日米欧経済
・米国
9月の雇用統計では、失業率は2か月連続で低下、非農業部門雇用者数は6か月ぶりの増加幅、平均時給も上昇基調にあり、労働市場は底堅い。9月のISM指数は、製造業は6か月連続の50割れが続く一方、非製造業は昨年2月以来の高水準、個人消費の堅調さが米経済のソフトランディング期待を支える。パウエルFRB議長は講演で、インフレは緩和基調にあると指摘した一方で、FOMCは利下げを急いでいないと発言。市場が織り込む年内利下げ幅は約50bpsに低下。11/5の大統領選を控える中、両副大統領候補が討論会を開催、結果はドローとの見方が多く、引続きハリス氏がトランプ氏を僅差でリードする。
・欧州
ユーロ圏8月の失業率は6.4%と前月から横ばい、労働市場は堅調を維持する。9月の消費者物価指数は前年比1.8%と2021年6月以来初めてECBの目標2%を下回った。欧州経済は低迷するものの、中国政府が景気刺激策を相次ぎ発表、中国景気回復に伴う好影響が期待される。ラガルドECB総裁は講演で、10月の次回政策会合ではインフレ率の鈍化を考慮に入れると発言。市場は10/17の理事会での25bps利下げを織り込む。仏バルニエ首相は政策演説で、財政赤字をGDP比3%以内とする目標の達成時期を2年延期と発表、信用リスクの高まりから仏-独国債の長期金利スプレッドは12年ぶり高水準に拡大した。
・日本
7-9月期の日銀短観では、大企業の業況判断DIは製造業が横這いとなった一方で非製造業は上昇、個人消費とインバウンド需要の堅調さが景気を支える。8月の鉱工業生産は台風の影響でマイナス転換した一方、小売売上高は自動車メーカーの不正問題の反動もあり5か月連続で増加。日銀は9/19-20政策会合の主な意見を公表、8月の市場の混乱を踏まえ追加利上げに慎重な意見が多く、ハト派色が強まる。自民党総裁選で勝利した石破氏は、首相就任後に植田日銀総裁と会談、会見では「個人的には、追加利上げをするような環境にあるとは考えていない」と発言、衆院選に向けた政策アピールに見える。
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