日米欧経済

・米国

1月のISM景気指数は製造業が中立水準の50を上回り2022年10月以来の高水準となった一方、非製造業は悪化、トランプ政権の関税引上げ策などが影響する。雇用統計では非農業部門雇用者数は減少した一方で、失業率は低下し平均時給は上昇、労働市場は依然底堅い。2024年通年の貿易赤字は前年比14%増となり過去最大を更新。トランプ政権はメキシコとカナダへの25%の関税賦課を土壇場で1か月延期したものの、中国には10%の追加関税を予定通り発動、中国も報復関税に動く。複数の連銀総裁は新政権の関税政策などに伴うインフレ再燃リスクを指摘、利下げペース鈍化の可能性が高まる。

・欧州

ユーロ圏12月の小売売上高は3か月連続で低下、個人消費が伸び悩む。独12月の鉱工業生産指数は前月から減少、主要国経済の低迷が続く。ユーロ圏1月の生産者物価指数は前年比0%と2023年5月以来のマイナス圏を脱し、消費者物価指数も同2.5%と4か月連続で伸びが加速、エネルギー価格の上昇が影響する。ECBは中立金利の推定値を1.75~2.25%と公表、今後少なくとも0.5%の利下げが想定される。複数の中銀総裁は、経済が減速する中でインフレは鈍化基調にあり追加利下げが視野にあることを指摘、一方でトランプ政権の関税政策に伴う影響に懸念を示した。市場は3月の追加利下げを織り込む。

・日本

12月の現金給与総額は前年比4.8%と約28年ぶりの高い伸びとなり実質賃金も2か月連続のプラス、家計消費も同2.7%と拡大。但し、2024年通年の実質賃金は同▲0.2%と3年連続のマイナス、円安に伴う物価高が影響する。12月の景気指数は一致・先行共に2か月ぶりの上昇、内閣府は基調判断を「下げ止まり」に据え置く。日銀の田村審議委員は講演で、2025年度後半には政策金利の少なくとも1%までの引き上げが必要とタカ派的な認識を示し、市場では早期の利上げ観測が高まる。石破首相は訪米しトランプ大統領と初会談、トランプ氏は共同会見で対日貿易赤字の解消に言及、関税引上げが懸念される。

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