日米欧経済

・米国

4月の製造業新規受注は4か月ぶりの減少、貿易収支は前月から赤字幅が減少、トランプ関税導入前の駆け込み需要の効果が薄れる。5月のISM景気指数は製造業が3か月連続、非製造業は11か月ぶりの50割れ、トランプ政策の不透明感が影響する。4月の失業率は3か月連続の横ばい、非農業部門雇用者数は小幅減少、一方で平均時給は上振れ、労働市場は堅調さを維持する。FRBはベージュブックを公表、関税政策など不確実性の高まりが企業や家計の消極姿勢に繋がる一方、インフレは加速するとの見通しを示す。一部の連銀総裁は貿易政策の不確実性解消を前提に、利下げの可能性を指摘。市場は9月までに25bpの利下げを織込む。

・欧州

ユーロ圏1-3月期GDP成長率確定値は0.6%と上方修正、2022/7-9期以来の高水準。4月の小売売上高は前月比でプラスを維持、欧州経済は底堅い。一方、5月の消費者物価指数は8か月ぶりにECB目標値2%を下回り、インフレの鈍化が進む。ECBは6/5の理事会で7会合連続となる25bp利下げを決定。声明では、貿易を巡る不確実性が企業の投資や輸出を抑制する一方、防衛やインフラへの政府支出が今後の成長を支えるとの見通しを示した。市場は7月に利下げ一時停止、年内あと1回利下げを予想する。

・日本

4月の家計消費支出は前月比で3か月ぶりの減少、物価高が影響する。現金給与総額は前月から伸びは横ばい、実質賃金も横ばいとなり4か月連続のマイナス、物価上昇に賃金の伸びは追いつかない。景気動向指数では一致指数は2か月連続の悪化、先行指数も3か月で悪化し2023/4以来の低水準、トランプ関税の不透明感から景気減速が懸念される。市場では減税策に伴う財政悪化懸念から超長期金利の上昇が加速。植田日銀総裁は国会で、来年以降の国債買入方針は市場参加者から減額が適切との意見が多いと指摘し、市場への介入を否定。一方で財務省は、国債発行年限の変更を検討すると一定の配慮を示す。

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