米国市場
6月のPMIは辛うじて持ち堪えたものの、1-3月期のGDPは前期比年率でマイナス。労働市場では、週次の新規失業保険申請件数は高止まり、失業保険継続受給者数も2021年11月以来の高水準となるなど、経済指標は米経済の緩やかな減速を示す。にも拘らず米株は史上最高値更新が視野に入るなど絶好調が続く。トランプ大統領によるイラン・イスラエル戦争の終結宣言やFRBによる早期利下げ期待が背景にあると思われる。トランプ氏には大言壮語の傾向があるものの、中東紛争解決と米貿易赤字削減が実現となれば、米株の堅調な動きが先読みしていたということになろう。
パウエルFRB議長は上下両院の公聴会で「関税が物価に及ぼす影響を見極められない、米経済は力強く利下げを急がない」と発言。一方でトランプ大統領は金利は高過ぎると批判しており、次期議長候補を早期指名する可能性が高まる。それを受けてか、有力候補とされるボウマン副議長やウォーラー理事、シカゴ連銀グールズビー総裁などが相次ぎ7月利下げに言及。加えて中東情勢が一旦沈静化したことで原油価格は下落。更に、足元の経済指標も減速を示すものが目立つことから、市場が織込む年内利下げ回数は2回超まで増加した。米金利は次回7/29-30のFOMCまで低下余地を探る展開か。
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