為替サマリー

円・米ドル

昨年末の世界的株価急落を受けても円・米ドルの下落は104円程度、それも年初の売買高が細った時間帯の一時的なものに留まるなど、避難通貨としての円買いニーズは近年薄れつつあるようだ。一方、年初来全般的に堅調な株価動向を反映した円売りも112円程度と、ここ2年程110円近辺での値動きが続く。FRBに続きECBも年内利上げを見送りハト派化するなかで、日銀は金融緩和余地に乏しいことから金融政策の現状維持が予想され、金利面からも円・米ドルはしばらくもみ合いか。

円・ユーロ

ユーロ圏では独・伊経済中心に停滞感が広がる中、独3月IFO企業景況感やZEW景況感など一部指標で明るい材料も見られる。景気減速懸念からECBは年内利上げを見送るとしたが通貨ユーロ売りは限定的。期限の迫る英のEU離脱(Brexit) 問題に関し、メイ首相がついに離脱延期をEUに提案したことで、市場が最も警戒する「合意無き離脱」の可能性は低下した。EUが設定する期限4/12が迫る中で通貨ユーロは神経質な展開も予想される。

円・豪ドル

2日の金融政策委員会では政策金利を29会合連続で1.5%に据置くことが決定され、豪準銀ロウ総裁は、「失業率は4.9%と足元の労働市場は堅調だが、住宅市場の調整が長引きそうで可処分所得の伸びも低調なため当面様子を見る」とした。2月の小売売上高は前月比+0.8%と15か月ぶりの高い伸びとなったうえ、主要貿易相手国である中国景気が底打ちしつつあり、資源価格も上昇基調に転じていることから、資源国である豪州経済も再び上昇基調に戻ると期待され、豪ドルは底堅い動きが期待される。

円・ブラジルレアル

2月の鉱工業生産および設備稼働率などは前月比上振れ、ブラジル経済が引続き回復基調にあることを示した。3月末にかけトルコリラ下落の影響、およびゲデス経財相が辞任を仄めかすなど政権混乱と財政改革の後退を嫌気してブラジル株と通貨レアルは一時的に揃って下落した。しかし先週は、好調な経済指標と米中株価の持直し、およびゲデス経財相がTV会見で年金改革法案が進展しそうと発言した事から株、通貨ともに持直しつつある。

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