米国金利の逆イールド

2.米国債の長短金利動向

・現状のイールドカーブ…図2は米国債のイールドカーブ。足元のFFレート2.25~50%に対し6M~10年までの金利は全てFF下限2.25%を下回る。最も低いのは3年の1.8%で、市場では年内2回、来年以降2回の利下げを織込んでいる。

・逆イールドは景気後退のシグナルとなりうるか…2018年6月のFRBレポートでは、過去の検証を行い有効性を認識している。レポートは、10年-2年スプレッドが過去9回のリセッションをほぼ予見していたと指摘しているが、18ヶ月-3ヶ月スプレッド(図3参照)の方がより信頼性が高そうだとしている。短期金利は足元景気を反映した金融政策に追随する一方で、長期金利は先行きの景気動向を予想して動く。つまり過去9回は長期金利が将来的なリセッションを的確に予見していたとも言え、イールドカーブが逆転したから景気後退するわけではなく、長期金利が景気後退を予見した結果逆転したもの。今回も市場が先行きのリセッションを強く織込めばイールドカーブが逆転する可能性があるが、過去のように再び予想が的中となるかは不明(図4参照)。

図4. 米10年-2年スプレッドとSP500株価およびリセッション(1977年~)

図.5 米2年債金利の推移(1977年~)

・景気後退となった場合の米株の下落幅…下表参照

ほとんどのケースで10年-2年スプレッドが逆転した後2ヶ月以内に当面の高値を付け、3ヶ月~4年後に底値をつけている。上昇幅は⑤、⑥を除けば12%以下だが、何れのケースも株を保有し続ければ利益となっている。

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