為替サマリー

円・米ドル

米景気減速懸念から0.5%の利下げを債券市場が織込む中、日米金利差縮小とリスクオフで円が買われ円高が進んだものの結局106円台止まり。却って円の上値の重さが印象に残った。その後、米中貿易戦争の一旦休戦と予想対比上振れした米雇用統計を受け、結局108円台に戻しており、米ドル/円の110円近辺のもみ合い相場はしばらく続きそうだ。

円・ユーロ

低迷気味の欧州経済と金利低下の影響で通貨ユーロは下落基調。米緩和期待から米ドルは買われづらい一方、ECBもハト派と目されるラガルドIMF専務理事が次期総裁に指名されたことを受け、市場はECBの金融緩和再開も織込みつつある。独・仏・スペインなどの10年金利が過去最低を更新し、伊・ギリシア金利も低下中。景気動向からも金利面からも通貨ユーロに関して買い材料は乏しく、当面下値模索が続きそうだ。

円・豪ドル

豪準銀は、「雇用の増加をサポートしインフレが目標に到達する確信度を高めるため」として、前回アナウンス通りに2会合連続で利下げをし政策金利を過去最低の1%とした。今後の状況次第では追加利下げもあるとしたうえ、利下げによる住宅・設備投資の回復が期待される。加えて米金利低下と米中貿易戦争の一旦休戦を受け豪株は堅調で、豪ドルは金利低下にもかかわらず反発基調。

円・ブラジルレアル

5月の鉱工業生産が上振れ、6月購買担当者指数も回復基調に転じており、ブラジル経済は一時的な後退局面を脱しつつある。市場が注目する年金改革法案は、下院特別委員会で政府が目標に掲げてきた水準での可決にこぎつけ、早ければ今週中にも下院本会議で1回目の採決が行われる可能性が出てきた。米金利低下によるリスク選好投資の広がりと財政再建への期待感から株価(ボベスパ指数)は過去最高値を更新中で、低迷していた通貨レアルにも買戻しの動きがみられる。

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