為替サマリー
円・米ドル
今年に入ってからの米利下げ局面を日銀が現状維持でしのいだ事は、円高を予想していた向きにはやや予想外だった。本邦輸出企業も為替予約に加え、海外でのドル再投資や部品の輸入比率拡大等の施策により、円高抵抗力を上げていると思われる一方で、ドル下値でのドル買いニーズが強いことを確認する結果となった。今後米国が再度利上げ局面入りとなれば円安が見込めるが、当面は110円を挟んだレンジ相場が続こう。
円・ユーロ
ECB総裁がラガルド氏に交代したが、低調な欧州経済指標を反映し欧州金利も当面低位安定となろう。経済指標は全般的に振るわないものの、ドラギECB総裁が言及した財政政策期待もあり、独を中心に欧州株は底堅く先行き欧州の景気回復期待が広がる。財政政策への期待感と英国で合意なき離脱リスクが低下したことを反映し、通貨ユーロは強含みか。
円・豪ドル
豪中銀はこれまでの利下げの効果の浸透と雇用市場などの経済状況を見守りたいとして、市場予想どおり政策金利を過去最低の0.75%に据置いた。7-9月期GDP成長率は前年比1.7%とやや加速したうえ、購買担当者指数にも底打ちの兆しが見られる。豪州株は引続き過去最高値圏での取引が続く一方で、豪ドルは政策金利据え置きを好感し一旦底を打った形。
円・ブラジルレアル
トランプ大統領がアルミ、鉄鋼製品への関税引上げを復活することを表明し、ブラジル経済に対する悪影響が懸念されたが、10月の鉱工業生産は前月比0.8%と3ヶ月連続で改善したうえ、7-9月期GDP成長率も前年比1.2%と上振れ。好調な経済指標を受けボベスパ指数は過去最高値を更新した。株高に加え低下傾向だったインフレ率が反転したことを受け、先行きの利下げ観測が一旦遠のき、軟調だった通貨レアルも買戻されつつある。
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