地域経済サマリー
米国
12月雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比14.5万人増、平均時給が前年比2.9%と予想対比でやや下振れたものの、失業率は3.5%と50年ぶり低水準を維持した。ISM非製造業景況指数は堅調で、製造業に対しサービス業が米景気を牽引している。米・イランのミサイル攻撃にまで発展した中東情勢は、双方が報復合戦の一旦終了を示唆したことで小康状態入りとなったことに加え、米中通商協議の第一弾合意など、米の対外的強硬姿勢は大統領選に向けて緩和方向が見込まれる。
欧州
ユーロ圏12月の経済信頼感や消費者物価指数が堅調だったことに加え、欧州経済の牽引役となる独の11月小売売上高や鉱工業生産も上振れるなど、欧州経済は一時の景気減速局面から回復基調に戻りつつあるようだ。Brexitに関し英ではEU離脱法案が議会で賛成多数で可決され、今月末の期限に向けた最後のハードルを乗り越え、年末を目途にEUとの包括的通商協定を策定する予定。
日本
11月景気指数は先行、一致ともに前月を下回り、内閣府の基調判断が4ヶ月連続で悪化となるなか、日銀発表の7-9月需給ギャップは+1.02%と12四半期連続でプラスとなり需要超過の状態が続く。中東情勢に関しては、米・イランの武力による報復合戦激化は避けられそうなうえ、為替の円高も一時的な動きに留まり足元では反って円安方向へ動いた。米中貿易摩擦も緩和方向であり、世界景気に敏感な日本経済の回復局面入りが期待される。
アジア・オセアニア
中国は、足元で香港の民主化デモや台湾総統選で中国に強硬な姿勢をとる現職が圧勝するなど「一国二制度」のシステムが揺らぎつつあり、対米で強硬姿勢を貫く余裕はあまりない。米政権も大統領選を控え成果を誇示する必要があり、結果として米中協議の第一弾合意となった。米中貿易摩擦緩和を受け資源価格、資源通貨および新興国株も堅調だが、豪州では昨年から続く山火事が一向に収まらないことから、先行きの金融緩和観測が燻り豪ドルが軟調。
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