株式サマリー
米国株式
中東情勢の緊迫化から一時的に戦争リスクに身構える局面があったが、武力衝突に至る可能性は遠のいた。一方、ハイテク関連を中心に企業収益は堅調で、大統領選に向けて米中貿易摩擦も緩和方向。加えて、FRBは利上げに慎重で、株価上昇を支える金融の緩和状態は当面変わらないと予想され、米株の上昇局面はしばらく続きそうだ。
欧州株式
全般的に経済指標が好調な米国に比べ足元の日欧指標は低迷している。ただし、欧州域内GDP首位の独で景気回復の兆しが見られること、および3年半に及ぶBrexitの迷走が終止符を打ちつつあることは投資家にとってリスク低減要因。今後英とEUの通商協定の進展が期待できるうえ、景気減速局面では、過去最大の財政黒字を抱える独による景気対策の可能性もあり、当面の欧州株は堅調な展開が予想される。
日本株式
世界的に株価は堅調だが、日本株は2018年以降何度も跳ね返された日経平均24,000円で停滞中。足元で低迷する経済指標も日本株には逆風となっている。ただし米中貿易摩擦の緩和と地政学的リスクの後退は、景気敏感株とされる日本株にとっては追い風で、企業業績の好転が確認されれば日本株も上昇しよう。日経平均が節目となる24,000円を大きく超えた場合、売り方の買戻しから意外高となる可能性もある。
アジア・オセアニア株式
足元ではファーウェイを含む中国ハイテク企業は、米からの制裁にも拘わらず業績は比較的堅調で、米に代わる代替輸出先の開拓や自国技術養成などで悪影響を吸収しつつあるようだ。アジア周辺国にも代替需要の恩恵が広がっており全般的にアジア・オセアニアの株価は堅調。米大統領選に向け米中貿易摩擦は緩和方向だが、テクノロジーを巡る超大国どうしの覇権争いは続くようで、米がファーウェイに対する制裁をさらに強化した事は懸念材料。
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